家を見守る、空き家管理サービスその2
前回の記事では社会の空き家問題と空き家管理サービスを利用する上でおさえておくポイントをお話しましたが今回はどのような空き家管理サービスがあるのかといった具体的なお話をしていきましょう。
どういった空き家の管理を任せるのか
とりあえずの確認サービス
まず空き家管理で必ず行われるサービスのひとつとして空き家の外観から状況を確認し報告書にして所有者へ報告するものがあります。建物などの状態に問題がないかを外観から判断し報告してもらうサービスです。このサービスのみを行いサービス料を月々100円にしている団体もあります。この団体のサービスには様々なオプションがあり、さらに庭木の剪定や不動産の処分などの際には提携している業者とのワンストップサービスを謳っており、いわゆる入口商品かと思われますが、まずは簡易に管理をしてもらい、ゆくゆくの処分などを考えていく猶予期間として利用するなどの利用方法としては使い勝手がいいサービスかもしれません。
定番の確認サービス
前述のサービスは若干特殊ですが、多くの管理サービスでは外観の確認とあわせて周辺清掃、ポストの管理が行われることがほとんどです。さらに通気・換気や雨漏り確認、室内清掃、通水・封水もオプションで追加することが可能です。こういったオプションを含めたサービスではどこも概ね月々5000円前後の費用が相場であり、先ほどの団体もこういった管理サービスを行った場合は4000円程度となり相場と同等程度になります。
建物を内部から管理するのは効果的だが‥
こういった通気・換気、室内清掃、通水・封水、等のオプションに共通する点は業者が空き家に直接入室して管理を行うということです。つまり、空き家の鍵を預けるということになりますので、管理を任せる業者の信用性をしっかりと確認する必要があります。
法律的には‥
また、少し専門的なお話ですが空き家の鍵を業者が管理するということは民法717条にある工作物責任における占有者にみなされる可能性があり、鍵を占有している業者が建物についての過失責任を問われるおそれがあることから積極的に行わない業者もいるようですので、室内管理を検討している場合は業者が室内管理を行っているのか確認するのがいいでしょう。
警備会社の場合は防犯効果も高い
また警備会社などでは本来のホームセキュリティーに加えてポスト管理や室内清掃を行うというオプションを用意しているところもあり、この場合は防犯としての効果に加えて空き家管理も任せることができるので充実した内容になるかと思います。ただし、その場合はあくまでホームセキュリティーとしての契約をまず締結して、そのうえで空き家管理のオプションを追加することになるので費用が他に比べて高くなることが多いようです。
空き家を最終的にどうしたいのかを念頭に置いて
上記の警備会社は本業の延長線として空き家の管理サービスを行っていますが、その他の空き家管理を提供している業者は不動産業者や建設会社、法律関係事務所など、本業が別にあるところがほとんどです。それは空き家をいずれ売買する、改築等をしてセカンドハウスにする、処分するにあたって権利関係を明確にする必要がある、など将来的なことを見据えて管理サービスを提供しているのだと思われます。空き家管理サービスを利用するということはあくまでも何かしらの行為をするまでの猶予期間を得ることがメリットですので、今後どのようにしたいかをある程度見据えたうえで契約する業者を選定する必要があるかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。