相続人のいない相続財産はどうなっていくの
前回の記事では相続財産管理人を選任するために申立てをできる利害関係人についてお話してきました。
おさらいとして、利害関係人には①債権者②特別縁故者③特定遺贈を受けた者、がいます。今回は②の特別縁故者からお話していきたいと思います。
特別縁故者って特別な縁をもった人?
②の特別縁故者とは文字を見ると想像できるとおり、特別な縁のある者という感じですが、実際は様々なパターンがあり、一概にこうだから特別縁故者だとは言い切れません。例えば亡くなった人と生計を同一にしていたような人(内縁の妻や夫のような関係)であったり養子縁組をしていなかったけれども親子として生活していた人(再婚の際の相手方の連れ子など)、亡くなった人の療養看護に努めていた人などがあります。療養看護に努めていた人には職場の同僚や民生委員の人も認められたケースもあるようです。ただし、職業上、看護師や介護士が療養看護していたからといって特別縁故者になるということではありません。
こうした人らは亡くなった人に相続人がおらず、宙に浮いている状態の財産を特別縁故者であることを認めてもらうことで財産を受け取ることができるわけです。なのでその為にはまず裁判所に相続財産管理人を選任してもらい、管理人が債権者や相続人はいませんという確認や手続きを1年近く行い、その後債権者や相続人がいないと確定してから特別縁故者が申立てを3カ月以内に行い、そしてようやくあなたは特別縁故者ですねと認めてもらえることでようやく財産を相続できるのです。
ひとりでは解決するのは大変かも‥
先ほどお話したように、特別縁故者じゃないかなと思ったとしても相続財産管理人を選任する申立てを行おうと思った場合、その亡くなった人の出生から死亡までの戸籍などを集める必要があります。しかし、特別縁故者として故人と生前どれだけ親しい間柄であったとしても赤の他人と変わりませんので、亡くなった人の戸籍を請求することが非常に難しくなってしまいます。
そういった場合は行政書士などの士業では職務で戸籍を収集することが可能ですので一度ご相談されるのが一番かと思います。
蛇足ですが
ちなみに、不動産の場合で特別縁故者がおらず、かつその不動産が共有状態であった場合などは特別縁故者が不存在ということで共有名義の人へ不動産が渡るといったレアなケースもあります。
次回は③特定遺贈を受けた者についてお話していきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。