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戸籍の代わり? 法定相続情報証明制度の仕組み ~その4~

戸籍の代わり? 色々なところに使っていこう

 シリーズでお話している「法定相続情報証明情報」ですが今回で最終回となります。
シリーズ第1回 戸籍の代わり? 法定相続情報証明制度の仕組み ~その1~

 実際に取得した法定相続情報を利用する先を簡単にご紹介していきます。

どこに提出するかの確認

 法務局で取得した法定相続情報ですから当然、相続を原因とする相続登記に使えることはもちろんですがその他にもいろいろなところで利用することができます。

 まず、代表的なものは金融機関へ相続手続をする際に提出することができます。

本来は戸籍の原本を金融機関に提出する必要がありますし、複数の金融機関の相続手続をする際には原本を還付してもらう必要があるため、直接窓口などで戸籍のコピーを取るという対応をしてもらうことがありますが、相続人の人数によっては膨大な戸籍のコピーを取ってもらうことになりそれだけでも1時間以上待って手続きをすることもざらにあります。また、戸籍が相続担当のセンターなどに到着してからもその戸籍を担当者が読み解く時間が必要になり数週間かかることもざらです。そういったことが法定相続情報によって簡潔になり迅速な対応を期待できます。

運輸局?裁判所?税務署?どこなら提出できる?

 また、この他にも亡くなった方の名義である自動車の変更に運輸支局に提出する際にも利用することもできますし、相続の放棄をする際、裁判所に戸籍を添付して申請する必要がありますがそういった際の戸籍の代わりに提出することもできますし、相続財産の分け方に不満があり裁判所に遺産分割調停を行うといった際にも裁判所に戸籍を添付する代わりに提出することも出来ます。

 ここで一点注意する必要があるのは相続税の申告の際に添付する戸籍の代わりになるのかという点です。

こちらに関して答えは、戸籍に変えて法定相続情報を添付することはできません。

 その理由としては前々回の記事でお話した続柄についての部分に答えがあるといえます。続柄はある程度柔軟に対応していて、養子であった場合「養子」でも「子」でもどちらの表記でもかまわないというところなどです。相続税では基礎控除に相続人の数だけ控除額が大きくなりますが、養子の場合、実子がいるのなら一人まで、実子がいなくても二人までが控除の対象となります。しかし、法定相続情報ではそのあたりがはっきりせず相続税を判断するには正確性に欠けるためです。
 こういった部分は今後、改正などを行い対応できるようにするようですがいまのところは提出できませんので注意してください。

追記 平成30年4月1日より法定相続証明情報の利用範囲を拡大するため、法定相続証明情報に相続人などの住所を住民票の写しや戸籍の附票などを用いて記載した場合、登記申請の際の権利者の住民票の写しの提出が必要なくなりました。
また、税務申告の際にも続柄を正確に記載することによって利用できるようになるなど、非常に利用しやすいものになりました。
詳しくは下記の法務局のホームページをご覧ください。
法定相続証明情報の利用範囲の拡大について

これまでシリーズでお話してきましたが、まだ法定相続情報証明制度は始まって間もないものですので不安定な部分もあるかと思います。しかし、場面によっては利用する価値があるのではないかと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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