おひとりさまの生活の中で老後になって、非常にポイントになってくることになるのが「身元保証」の問題ではないでしょうか。最近も大手身元保証団体の破綻などなにかと話題になりましたが、改めて身元保証について考えていきましょう。
そもそもどういった場面に保証人は必要?
そもそもどういったときに身元保証は必要になってくるのでしょうか。まず、一番に思いつくのは部屋を借りるときだと思いますが、それ以外にも病院への入院、施設への入所で保証人を用意してほしいと要求されることが多いかと思います。実際にある調査では入院や入所などにあたり保証人を求める病院や施設は9割以上にのぼり、そのうち3割程度はいないのであれば入院入所などを断るということです。
保証人がいないと入院や入所できないってひどくない?
ひどいようにも思いますがこれにはいろいろな事情がからんでいます。病院や施設では当然、治療費などの支払いという問題もありますが、それ以外にもまず、手術や治療に対する同意を病院や施設側は求めたいという思いがあります。
病院や施設としては‥
厳密に法律のお話をすると医療行為に対して同意できるのは本人のみで、たとえ親でも兄弟でも子どもでも本人の同意と同等な効力を有する同意というものはありません。しかし、現実には家族や親族、後見人などに同意を求めるのがよくあるのは、実際になにか問題がおこったとき損害賠償などの話になっていきますが、家族や後見人の同意があることで病院側としては適法に治療したんですよと言うことができるように同意を求めているものだと思われます。
また、入院や入所をしたが最終的に亡くなられた場合、その遺体や遺品の引き取り、死亡届などの行政に対する手続きなどを任せることができる人がいないと病院や施設側は困ってしまうということも保証人を要求する大きい原因になります。
家を借りるのも大変に?
一般的に家を賃貸する場合、多くは保証人が必要となります。こちらも当然家賃が滞納されると困るといった問題もありますが、もうひとつの問題があります。それは借りる人が独身で高齢だと貸す側としては孤独死なんてことはないか?といった不安を持つということです。いわゆる「事故物件」にはなって欲しくないのです。
えっ!?孤独死は事故物件?
住んでいた人が自殺や他殺によって亡くなった場合などによく聞くお話ですが「事故物件」は法律で決まった規定があるわけではありません。しかし、いわゆる人が嫌がるような心理的瑕疵(心理的な欠陥)が物件にある場合、不動産屋さんは説明する義務が生じてくるのです。
しかし自然死は誰にも必ず起こるもので心理的瑕疵があるとは言えないのでは、と考えることもでき、実際、孤独死=事故物件というわけではないようです。しかし、孤独死の場合、発見が遅れ遺体が腐敗し異臭が漂った結果、警察が駆け付け判明するといった状況も少なくありません。その場合は心理的瑕疵があると考えられ報告する必要がおこってしまいます。そういったことができるだけ起こらないようにある程度、入居者とのつながりのある保証人が欲しいのが貸す側の気持ちなのです。
じゃあ入所、入院するときはどうしたらいいの?
ここまで保証人が必要な一般的な場面と理由をご紹介しましたが、では実際に保証人として家族や親族がいない場合にどうしたらよいのか。その際よく聞く、身元保証会社について次回は確認していきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。