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任意後見制度に関して

柔軟な対応が可能となる任意後見制度

 親が認知症などで判断能力が衰えてくる前に、親が希望する人を後見人として任意後見契約という形で指定しておくこの制度。
どうのように利用することが望ましいのでしょうか。

法定後見というものもあるように聞いたけど?

法定後見では専門家が後見人に就任することが多く、子どもが望む親の老後とは違った判断を後見人に決められてしまうことがあります。親がしっかりしていたときに話していた「施設に入るときは静かで緑が多い地域の施設に入りたいなぁ」とか、「みんなが出来るだけよく来てくれるように交通の便がいい施設を選んで欲しい」といった要望も法律家である後見人の場合、後見人の考え方などからその希望が通らないこともあります。
 
しかし、任意後見制度においては親の判断能力がしっかりしている間に親が信頼できる人にいざという時、後見人を任せる制度です。
ですので、ご家族が後見人になる場合もあるでしょうし、専門家でも信頼関係を培ってきている方を選ばれることもあるでしょう。

こういった安心感は誰がなるのかわからないという不安がある成年後見制度と大きく違う点と言えるでしょう。

任意後見人の仕事内容ってどうなっているの?

さらに任意後見契約では具体的に後見人にどういった仕事をしてもらうかを細かく契約書に盛り込むことも可能なので、あらかじめどのような介護や医療を受けたいか、どんな施設に入りたいか、どのように財産を管理してほしいかといったことも盛り込むことができるので、親の希望を現実にしていく手段として有用かと思います。
 
任意後見制度の歴史はまだ浅く、2000年に制度が開始され、当時は800件程度の件数のみでしたが、現在では1万件に達しており、その有用性が認められているのではないかと感じます。

任意後見制度と法定後見制度の違い

先ほども少しお話しましたが、法定後見と任意後見の違いはいくつかあります。
大きな違いは後見人の選任の仕方と利用できる状況の違いにあると思います。
まず利用できる状況の違いから見てみましょう。

利用できる状況の違い

法定後見を利用する事の出来る時期は認知症などを発症し既に意思能力に問題がある場合です。
家庭裁判所に申し立てを行い成年後見人を選任してもらうのですが、その際には専用の様式の診断書を提出しなければなりません。(すでに施設などに入所中の場合は施設から医師を紹介してもらえます)
任意後見の場合は逆に、すでに認知症を発症し意思能力に問題がある場合には利用できませんので、意思能力に問題が無いうちに公正証書を作成する必要があります。

後見人の選任方法の違い

法定後見の場合は、成年後見人を家庭裁判所が選任します。
申立ての際は、後見人の候補者(この人を後見人にしてくださいという人)を裁判所へ申したてますが必ずしもその通りになるとは限りません。
内閣府が発表しているデータによると親族が後見人に選任されているものは、全体の約30%、あとは親族以外の第三者が選任されています。
家庭裁判所は、法定後見の申立てがあると、申立て人や後見人候補者の面接を行い事情を聞き取り後見人を決定します。
任意後見の場合は本人がまだしっかりしている内にもしもの場合の後見人を家族や親族、又はご自身の意思を理解してくれている信頼置ける人などを事前に決めておくことができます。

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