親が認知症になってしまったら

みなさま、いつもありがとうございます。
介護と相続、認知症事前対策の江坂みらい法務事務所です。
今回は介護と認知症リスクについてお話したいと思います。

親が認知症になってしまったら

もしも親が認知症になってしまったら、想像しただけでつらくなってしまいますがそうならないとも限りません。
認知症は脳の病気ですので、物覚えが悪くなるのとは違います。

物覚えが悪いくらいならヒントを出すと思いだすかもしれません。
たとえば昨日なにたべたっけ?となってほら!あの人にもらったあれ!とヒントをだす。
するとあぁと思いだすといった感じです。

認知症になると思いだしにくいのではなく記憶が呼び出せなくなりますのでヒントをだしても思い出してくれません。
そのような病に親がかかってしまうと思うだけでつらいです。が、、他にも困る事がたくさん出てきます。(二回目ですが)

認知症になるとどうなるのか

人は認知症になると法律行為ができなくなります。
それは法律行為に必要な能力である意思能力というものに問題が出てくるためためです。
意思能力を簡単に説明しますと、「自分の行動がもたらす結果が把握できる」この能力です。

当事務所で扱っている公正証書遺言や生前贈与、民事信託の契約なども法律行為のため意思能力がないと行う事ができません。
遺言をつくったらどうなるのかや生前贈与をしたらどうなるのかがご本人に分からなくなってしまうからです。

法律行為は他にもたくさんあります。

認知症と財産管理

介護を続けていくにあたってやはり資金の問題が出てきます。
介護を受けている方の年金や預貯金でまかなっていく部分も出てくると思います。
しかしながら介護がスタートするという事は、本人の行動は制限され銀行などの金融機関へ出向くのもなかなか大変です。そこで介護者が介護を受ける方から委任を受けて、代理人としていろいろな手続きをしていくことになります。
さてこのような状況で親が認知症を発症してしまうとどうなるか、これが一つ目の見えないリスクです。
厚生労働省では、2025年には65歳以上の5人に1人の高齢者が認知症を発症すると試算しています。

また介護がスタートすると認知症のリスクは増します。
毎日外出できる人に比べて外出が 1 週間に 1 度以下だった人は、認知症になるリスクが約 3 ・ 5 倍にもなるというデータもあります。

介護スタート→運動量の減少や寝たきり状態が原因で認知症発症→施設への入所を検討するも頭金など資金を作れず苦労する→介護者が立替または引き続き在宅介護

簡単ですが、このような形で苦心しているご家族も多くいらっしゃいます。

原因は親が認知症になると親の財産は動かせなくなってしまうからです。
親が住んでいた家を売却して入所費用に充てる事も、親の定期預金などを解約することもできません。

金融機関での実際の取り扱いでは、委任状がなくても普通預金口座から一度に50万円までなら引き出しが可能な場合が多いですが、それも頻度や本人確認の結果などにより引き出すことができないケースもあります。

また法に基づいた取扱いではなく、趣旨としてもあくまで一度の取引額が50万円くらいまでなら委任状の交付を省略できる旨の取り扱いであり、認知症などで意思能力に疑義が生じた場合に本人以外の引き出しを認める制度ではありません。

加えまして、各金融機関における独自のルールですので、いつまでその取扱いが続くのか分かりません。

結果的に、このような法に基づかない親の財産の使用は親族間のトラブルを招きます。
(これが原因での親族間トラブルは本当によく聞きます)
ですが、このようなトラブルもしっかり予防対策を行う事が可能です。

認知症を発症してしまっている場合は成年後見という制度を利用するしかありませんが、まだ発症前であればとれる対策も違ってきます。