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介護と相続 特別受益と寄与分

介護の「寄与分」は難しい

介護があった後に相続と言えば、寄与分のことが真っ先に頭に思い浮かぶのではないでしょうか?

相続についてご相談を受けたとき、寄与分という単語がぱっと出てこない方でも、「あのほら、生前お手伝いとかしてたら、相続のときにかえってくるんでしょ?」とご存じの方も多いようです。

それではまず、寄与分の事例を簡単にですが見てみましょう。

家業従事型    家が農家で、長い間手伝っていた等。

出資型      事業に必要な資金や、不動産を提供していた等。

療養看護型    病気の看護や、年老いた親の介護を行っていた等。

扶養型      兄弟姉妹がいるが、親の生活費を1人で負担していた等。

財産管理型    駐車場経営の管理や、固定資産税の支払いを行っていた等。

寄与行為は上記の様に、大まかに5つに分けることができます。

出資した金額や支払った税金の額等、明確な数字が出る場合は、比較的わかりやすいのですが、介護に関連する項目である、療養看護はどうでしょうか?

各家庭毎に事情が違うわけですし、何をどれぐらいしたかも人それぞれです。

それを最終的に金銭的価値にして考えるわけですから、実際に介護をして苦労した人と、全く何もせず、内容すら知らない人で争いがおこりやすいと言えます。

そもそも寄与分が認められるには、「財産の維持又は増加について特別の寄与をした者」であることが必要であり、もともとの扶養義務の範囲である介護もあるので、どこからが特別の寄与となるのか判断に難しいこともあります。
後々でこういった争いになってしまわないためにも、将来相続人となる方達は勿論、そのご家族の方も含めてじっくり事前に話し合う機会を持たれては如何でしょうか?

争えば泥沼の「特別受益」

こちらの方は「寄与分」よりかはあまり知られていないようです。

というのもそれもそのはず、自分自身にとってはプラスとならないからです。

では特別受益がどんなものか簡単に説明させて頂きますと

被相続人から生前に贈与を受けていた場合、その贈与されたものも相続財産に加えて、改めて各自の相続分を考えましょうということです。

例えば現存する相続財産が現金で1000万円、相続人が兄弟二人だけである場合

既に兄だけが過去に200万円の贈与を受けていたときは、1000万円に200万円を加え1200万円を相続財産とし、各相続財産は1200万円を二等分して600万円と考えることになります。

ただこれ、やっぱり自分からはあまり言わないですよね?

言わないと不公平になるとわかってはいるのですが・・・

申告したのが自分だけだと、正直者がバカを見る。
いったい何時まで遡らないといけないの?
明細なんて残ってないし、実際の金額より大きく言われたらどうしよう。
今更になって言うのも、変にわだかまりができそう。

等々

実は法律にも遡らなければいけない期間の定めはなく、さらに最高裁判所も判例で贈与時の貨幣価値で考えるのでなく、相続時の貨幣価値に換算して考えなさいと示しています。

さらにもめ事になったときは、収集がつかなくなります。

理由としては先のご説明の通り、まず他人の指摘がきっかけになりやすいという事が挙げられます。

こうなっては、「後から言おうと思っていた。」は通じません。

このように相続の場を疑心暗鬼の吊し上げの場に変えないよう、正しい相続の知識を身に着けておきたいところです。

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